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作成した小説を保管・公開しているブログです。 現在は連作短編が二篇の他,短編小説,エッセイの類を掲載しています。 連作小説の更新ペースは随時。二か月に三回を最低ラインとして目指しています。
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虎の衣を駆る ラフテキスト
話のプロットを大きく変えたら長くなってきてしまい、なかなか本文を完成させられない。〆切を守れるようになるためには、書くのが早くならなければならないのに。
法律系の文書も小説も遅いんじゃ仕事にならないよね全く。

以下ラフテキスト
*********

――力をあげる。貴方のなかのその苛立ちを、これで解消すればいい。
 確かにそう言った。顔も、声も思い出せない。思いだそうとすれば、頭の芯が痺れたようになって視界が歪む。あれは、いつ、どこのことだ。俺はいったい何と会話して、何を承諾したというのだろうか。
 人気のないはずの建物内で、何かが激しく廊下や壁を蹴る音が聞こえてくる。それは、確実にこちらに近づいて来ていた。そんな馬鹿な。俺はうまくやったはずだ。何で追ってくるのだ。さっきからずっとこの方法で見つからずにやってきたはずなのに。

「見つけた! そこを動くな臆病者」

 近くの空き部屋に逃げ込もうとしたがワンテンポ遅れた。それは、突然廊下に現れ、天井を一蹴りし、宙返りをした上で床に降り立った。手に持った刀の切っ先は廊下の端にいる俺に向かって突きつけられている。その距離、三〇メートルほど。すぐに空き部屋に入って扉に鍵をかけ、別の扉から出れば逃げ切れるはずだ。しかし、目の前の女の気配に足がすくむ。
「『虎』になったのはキミでしょう? 右手のバッグの中に毛皮が入っているのかな」
 『虎』になった。そんなつもりはない。俺は、別にそんなことがしたかったわけではないのだ。
「応戦する気もなければ、素直に投降する気もないの。全く、怯えを体中から垂れ流しているだけはあるね。反応ないならこっちから行くよ」
 女の気配が鋭くなる。姿勢を低くして、こちらに向かって強く踏みこむ。廊下に響く大きな音と共に女の身体が膨れ上がったかのようになり、俺は思わず声をあげて隣のドアを開けた。空き部屋に逃げ込んだと同時にドアが廊下の奥へと向かって吹き飛んでいく。
 あまりの光景に腰を抜かし、へたり込んだ俺の前では先ほどの女が刀を片手に吹き飛んだドアの方向を眺め何事かを呟いている。
 死ぬ。何が何だかわからないうちに、今ここで俺は死ぬ。あの女に殺されるに違いない。
――チカラガホシイダロウ イキノコリタイダロウ
 手に抱えたバッグの中からは、あの声が響いてくる。とっさに手を入れると、すぐにあれに手が触れる。あれはまるで待っていたかのように俺の体に纏わりつきはじめる。
 怖い。いいのか、この声に従って、俺はあんな風になりたかったのか。女が独り言を終えて、俺の顔を見る。再び刀のきっさきを俺の顔に向ける。さっきよりも遥かに近い。彼女が数歩近付けば、俺の目の前に刀が来ることだろう。死にたくない。死にたくない
――ソウダ イキノコレ チカラヲクレテヤロウ
 バッグの中の声が頭の中に満ち溢れる。チカラ、チカラ、チカラチカラチカラチカラ。
 右手から右腕に、肩を超えて身体全身へ、あれの感触が一気に広がっていく。俺は、俺はこんなところで死にたくない。その一心であれの言葉に全身をゆだねた。その光景に女が大きく目を見開いた。
 そうだ。畏れることはない。所詮人間なのだから。俺は、俺はこんな女に殺されるわけがない。

*********

ここだけ切り取っても何の話だかわかんないよねー。
というのはさておき。
最近、小説ないの一文の長さの適切性を判断するために、文体診断ロゴーン(http://logoon.org/)というものを利用しています。
一度の診断量が五千字に限られるので、一場面一場面で区切って診断する感じで利用しているのですが、場面ごとに似ている文体の人の表示が違う違う。
文体が似ていない人のトップにはずっと岡倉天心さんが君臨しているのですが、似ている文体は切り取る場面によって大きく変化するので、私の文章どうなってるの全くと思うところ。

そうはいっても、出てくる作家の種類なんて限られて……などと思っていたら、今回のラフテキストはまさかの小林多喜二と松たか子が出現したので、記録として残しておこうと思ったところ。

以下、「虎の衣を駆る ラフテキスト2」の診断結果
<一致指数ベスト3
1 小林多喜二 83.9
2 松たか子    83.8
3 菊池寛    83.3

<一致指数ワースト3
1 岡倉天心 48.6
2 三木清 57.2
3 吉田茂 57.2

<文章評価
「評価項目」と「評価」、「コメント」が表示されます。
文章の読みやすさの評価項目が、主に一文の長さを指標としている節があるので(今回はAなのでわかりにくい)、ここの指標を利用させてもらっています。

文章の読みやすさ A とても読みやすい
文章の硬さ    A 適切
文章の表現力    A とても表現力豊か
文章の個性    A とても個性的

以上診断結果。

まあ、こういうのは助詞や名詞の種類、一文の長さや仮名・漢字の割合などで機械的に判断しているものだと思うので、文章自体の内容は流石に評価してもらえないのですが、内容がいくら面白かったり示唆に富む文章であっても、読み難いことこの上ない文章であれば読む気が失せてしまうよなーとも思います。
そういった意味では、読みやすい文章を心がけるのも大切なのでしょう。

内容? 内容は…ないようはなー(
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HN:
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年齢:
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性別:
非公開
誕生日:
1986/09/15
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趣味:
読書とか創作とか
自己紹介:
色んなところで見かける人もいるかもしれませんがあまり気にせず。
ブログとか作ってみたけれど続くかどうかがわからないので、暇な人だけ見ればいいような。
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