作成した小説を保管・公開しているブログです。
現在は連作短編が二篇の他,短編小説,エッセイの類を掲載しています。
連作小説の更新ペースは随時。二か月に三回を最低ラインとして目指しています。
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2025.02.02 Sunday
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ネガイカナヘバ ラフテキスト
2014.09.03 Wednesday
黒猫堂怪奇絵巻6 ネガイカナヘバのラフテキスト、冒頭部になります。
ネガイカナヘバ1は9月中に更新する予定です
******
1
植物は大地に根を張り、その養分と水分を糧に成長していく。それが、植物たちの基本的な生き方だ。
しかし。目の前に息づく一本の樹木。これは、そういった植物たちの生き方から離れてしまっている。この木が吸い上げているのは陰気。
うつつに漂う多くの感情、それに引き寄せられる異界の力。男の目の前にそびえる木はそうしたモノを養分に、生命を繋いでいる。
ネガイカナヘバ1は9月中に更新する予定です
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1
植物は大地に根を張り、その養分と水分を糧に成長していく。それが、植物たちの基本的な生き方だ。
しかし。目の前に息づく一本の樹木。これは、そういった植物たちの生き方から離れてしまっている。この木が吸い上げているのは陰気。
うつつに漂う多くの感情、それに引き寄せられる異界の力。男の目の前にそびえる木はそうしたモノを養分に、生命を繋いでいる。
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キルロイ 7 (了)
2014.08.23 Saturday
黒猫堂怪奇絵巻第5話 キルロイ 掲載7回目です。
キルロイは今回で終了です。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
キルロイ5
キルロイ6
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
――――――――――
7
空は薄い雲に覆われて、小雨が地面を濡らしている。
試験期間が始まるというのに、余計に塞いだ気分になる。
陽波高校へと向かう道を歩いている生徒たちの姿も心なしか暗いように思う。
生徒の列に、見知った友人の後ろ姿をみて結城美奈は近づいた。
「さくら! おはよー」
上月桜は急に声をかけられて驚いたようで、振り返りながらぴょんと飛び上がった。
着地したのが水溜りの近くで、上月はほんの少し慌てふためいた。
キルロイは今回で終了です。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
キルロイ5
キルロイ6
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
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7
空は薄い雲に覆われて、小雨が地面を濡らしている。
試験期間が始まるというのに、余計に塞いだ気分になる。
陽波高校へと向かう道を歩いている生徒たちの姿も心なしか暗いように思う。
生徒の列に、見知った友人の後ろ姿をみて結城美奈は近づいた。
「さくら! おはよー」
上月桜は急に声をかけられて驚いたようで、振り返りながらぴょんと飛び上がった。
着地したのが水溜りの近くで、上月はほんの少し慌てふためいた。
キルロイ6
2014.08.07 Thursday
黒猫堂怪奇絵巻5話目「キルロイ」の掲載6回目です。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
キルロイ5
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
―――――――
6
夕暮れ時に現れる影の道は見つけても通ってはいけない。学校から出られなくなる
――私立陽波高校七不思議
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
キルロイ5
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
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6
夕暮れ時に現れる影の道は見つけても通ってはいけない。学校から出られなくなる
――私立陽波高校七不思議
キルロイ5
2014.06.30 Monday
黒猫堂怪奇絵巻5話目「キルロイ」の掲載5回目です。
連載再開しました。一月1話ペースくらいで更新続けられるといいなと思います。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
―――――――
5
夜の陽波高校は住宅街に開いた穴だ。
夜間のナイター設備などがある高校であれば別なのかもしれないが、夜の学校には人の気配も明かりもない。
住宅街にはほのかに人工の光が灯されているものだから、余計にその暗さが目立つ。
そして、構内に満ちる闇は怪異が息を潜めるのにはもってこいの場所だ。
連載再開しました。一月1話ペースくらいで更新続けられるといいなと思います。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
キルロイ4
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
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5
夜の陽波高校は住宅街に開いた穴だ。
夜間のナイター設備などがある高校であれば別なのかもしれないが、夜の学校には人の気配も明かりもない。
住宅街にはほのかに人工の光が灯されているものだから、余計にその暗さが目立つ。
そして、構内に満ちる闇は怪異が息を潜めるのにはもってこいの場所だ。
キルロイ4
2014.02.06 Thursday
連作短編,黒猫堂怪奇絵巻の5話目に当たります「キルロイ」の掲載四回目です。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
―――――――
4
「そう。それが君の答えということか」
私は,彼女の髪を一度だけ撫でた。彼女は床に膝をつき,まっすぐ前を見つめたまま,ただそこにいた。
「大丈夫。君がもう一度答えを見つけるまで,君の答えはここにある。これは小休止に過ぎない。だから,不安を覚える必要はないんだ」
彼女に私の言葉は届いていないだろう。けれども,私は彼女に伝えなければならない。それが,彼女が私の下に来たことへの誠実な対応だからだ。
前回までの「キルロイ」
キルロイ1
キルロイ2
キルロイ3
今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
―――――――
4
「そう。それが君の答えということか」
私は,彼女の髪を一度だけ撫でた。彼女は床に膝をつき,まっすぐ前を見つめたまま,ただそこにいた。
「大丈夫。君がもう一度答えを見つけるまで,君の答えはここにある。これは小休止に過ぎない。だから,不安を覚える必要はないんだ」
彼女に私の言葉は届いていないだろう。けれども,私は彼女に伝えなければならない。それが,彼女が私の下に来たことへの誠実な対応だからだ。