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作成した小説を保管・公開しているブログです。 現在は連作短編が二篇の他,短編小説,エッセイの類を掲載しています。 連作小説の更新ペースは随時。二か月に三回を最低ラインとして目指しています。
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人形迷路3
黒猫堂怪奇絵巻7話目 人形迷路3話目

更新できるときに更新しておかないと、更新がとまる。
書けるときに書いておかないと話は進まない。

そういう生活習慣を改めることが来年の目標かもしれない!
ブログの記事数が90を超えてきたので、今年やり損ねたWEBページ作りの必要性が高まってきているのを感じています。
小説の保管庫としてもブログが手狭になってきたような…

人形迷路1 
人形迷路2 

今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
黒猫堂怪奇絵巻5 キルロイ
黒猫堂怪奇絵巻6 ネガイカナヘバ1
―――――――――



 元々、森園市一帯は変異性災害の認知件数が少ない土地だ。地元に根付いた霊能者、祓い師は少なく、また、オカルト・心霊スポットといった情報にあふれる土地でもない。
 無論、変異性災害と疑われるケースが全くないわけではない。直近のケースで行けば、ハイキングコースに出現したとされる巨人、富豪の幽霊が出ると噂の商業ビルなどが目新しい。
 しかし、森園地域における変異性災害の具体的な分布を検証することは難しい。データも、祓い師も少ないこの地域では、怪異を怪異として記録するものがいなかったからだ。そのような状態にあって、森園市変異性災害対策室が一定数の事例を保有しているのが小人の対策だ。
「でも、どうして小人なのか、不思議に思いませんか」
 全国的に、小人は出現例が多い。だが、その姿形を除けば、特徴ある物理的・精神的干渉を及ぼさない。要するに、霊感のない人間から見て、小人の仕業といえる典型例が存在しないことが、小人の特徴ともいえる。
「だからこそ、小人の出現例が多く記録されていたことに興味がわいたんです」
 亜浦は、その疑問を調べるために、森園市への配属を望んだのだという。
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人形迷路2
黒猫堂怪奇絵巻7話目 人形迷路2話目

小説家の人たちってどうやって警察の描写練習しているのだろう
といつも不思議に思うんですが、資料を読んでいるに違いない。

警察の。警察の資料を読むのです。
と固い気持ちを持ちました。

人形迷路1 

今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
黒猫堂怪奇絵巻5 キルロイ
黒猫堂怪奇絵巻6 ネガイカナヘバ1
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巻目駅ホーム内で人身事故。被害者は男性。ホームに電車が突き落とされたとの通報が入り、当直の巻目市警察署強行犯係第1班、通称加治田班は慌ただしく巻目駅へと向かった。
班長加治田勇雄(カジターイサオ)に連れだって、斎藤茂(サイトウ‐シゲル)は眠気を押さえながらも現場に臨場する。
事件は終電の直前に発生したらしく、駅の周辺には、移動手段を失った帰宅客たちがタクシー乗り場に集中している。
「ホシは、ガイシャの会社の同僚だそうだ」
 先に臨場した班員からの無線連絡。加治田は細く鋭い目を険しく歪めて、その情報を斎藤に告げた。
「同僚って、じゃあ怨恨」
「憶測は持つな。志摩(シマ)が聞き込みを始めている。ただ、どうにも現場に面倒なのがいるな」
 加治田はポケットから取り出したたばこのケースを、煙草を取り出す前に握りつぶした。視線の先には改札口に制服警官と立つ大柄な男がいた。同じく強行犯係の刑事、結城辰巳(ユウキ‐タツミ)。ただし、彼は強行犯係のいずれの班にも属していない。市役所と連携して、一風変わった事件の後処理をしていると聞く。
 加治田は大股で改札口に近寄り、結城の前に立つやいなや、彼のネクタイを掴んだ。結城辰巳は、身長185センチと、署内でも大柄な男だが、183センチの加治田もまたこれに負けない大きな男である。ただ、がっしりとしたラガーマンをイメージさせる結城に対して絡む、加治田には、長身痩躯という言葉が似合う。傍から見ると、暴力団が警官に食って掛かっているようにみえるので、部下としては、外部でこうした対応は控えてほしいところだ。
「おい結城ぃ。なんでお前こんなところにいる」
 力任せに結城の首を惹き寄せ、加治田は目を細める。
「これはウチのヤマなんだよ。オカルト専門なら専門らしく」
「私は目撃者です。好き好んでこんな夜中に事件に首突っ込んだりしませんって」
 対する結城は穏やかな声で加治田に対応する。精一杯、加治田の立場を立てての発言なのだろうと斎藤は思っているが、一方でそうした対応が、加治田にはまるで自分が下品であるというような主張に見えるのだ。
 加治田の顔から血の気が引いていくのを見て、斎藤は慌てて二人の間に割って入った。
「お疲れ様です。結城警部補。お話、聞こえていました。今日は、非番だったのですか」
 加治田に睨まれるが構わない。加治田の苛立ちは同僚ではなく事件に向けてもらう。
「知人のところに出かけていてね。ようやく帰り着いたところで、この騒ぎだ」
「そうなんですね。志摩からの聞き取りはまだ終わっていないんですね」
「まだだ。今は目撃者で時間が取れない人の連絡先を聞いて回っているところだろう、改札の奥にいる」
 気づかい感謝しますと早々とお礼を言い、加治田を改札の奥へと押し込んでしまう。あの程度でも捜査に口を出したと怒りに震えるのが加治田という男だ。
 加治田を改札奥の志摩のところへと押しながら、後ろを振り返ると結城が頭を下げた。頭を下げるのはこちらの方だと思うと、少し心が痛む。
人形迷路1
黒猫堂怪奇絵巻7話目 人形迷路1話目です
ラフテキストから約半年、放置気味だったブログを整理する意味も込めて。
年内に半分くらい作ろうと思っています。

元々、黒猫堂全体で考えていた構成だと、7話目、人形迷路からが起承転結の承。
話を広げていく段階を予定しています。
まずは本編、導入部です

今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
黒猫堂怪奇絵巻5 キルロイ
黒猫堂怪奇絵巻6 ネガイカナヘバ1
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黒猫堂怪奇絵巻7


 地下通路の奥から外に向かって吹きつける強い風。ホームに向かって地下鉄が近づいてくる合図だ。今走れば間に合うかもしれない。そういった思惑を持った人々が一斉に階段を駆け下りていく。
 人の流れに押される形で、階段を駆け下りていくと、ホームの中は人がごった返していた。腕時計を確かめてみるが、混雑するような時間ではない。どこかでイベントがあったか。
 ホームに到着した車両にも人が詰め込まれている。幸い、ほとんどの乗客は三駅先の乗換駅を目指しているため、ホームに人は増えない。ホーム上の人々が車両に流れこむ。
 結局、階段を下りる前の期待は裏切られ、ほとんどの人々がホームに取り残された。
 何があったのか、と近くの客に尋ねると、事故だという。ホームの転落防止柵を乗り越えて、客がホームに落ちたのだそうだ。片方の線路にずっと車両が止まっているのはそういう理由で、今、折り返し運転をしているため、混雑が解消されないのだという。
 人の流れに乗ってホームに降りたのは失敗だった。なんとか上に戻れないだろうかと思い、身をよじった時、それが見えた。
 人間の足首ほどの大きさしかない人形のような影。それが、ぴょんぴょんと車両を待つ人々の間を駆け抜けていった。
*****
ネガイカナヘバ12(了)
ネガイカナヘバ11
黒猫堂怪奇絵巻6話目 ネガイカナヘバ掲載11回目です。
ここで本編は終わりで、次がエピローグ。
紙媒体でまとめてリライトしたうえで、販売できたらいいなって思う量になりました。
なお、ネガイカナヘバは、キルロイと合わせて、陽波高校七不思議編というくくりになっています。

ネガイカナヘバ1
ネガイカナヘバ2
ネガイカナヘバ3
ネガイカナヘバ4
ネガイカナヘバ5
ネガイカナヘバ6
ネガイカナヘバ7
ネガイカナヘバ8
ネガイカナヘバ9
ネガイカナヘバ10

今までの黒猫堂怪奇絵巻
黒猫堂怪奇絵巻1 煙々羅
黒猫堂怪奇絵巻2 虎の衣を駆る
黒猫堂怪奇絵巻3 とおりゃんせ
黒猫堂怪奇絵巻4 迷い家
黒猫堂怪奇絵巻4.5 薄闇は隣で嗤う
黒猫堂怪奇絵巻5 キルロイ
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プロフィール
HN:
若草八雲
年齢:
38
性別:
非公開
誕生日:
1986/09/15
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趣味:
読書とか創作とか
自己紹介:
色んなところで見かける人もいるかもしれませんがあまり気にせず。
ブログとか作ってみたけれど続くかどうかがわからないので、暇な人だけ見ればいいような。
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